車に衝突された!!あとで困らないためにはどうすればいいの?
亮子さんの勤務先は、大きな国道とそのバイパス道路の抜け道に面したところにあります。
最近「抜け道マップ」を利用する方も多いことでしょう。
亮子さんの利用するこの通勤路も「抜け道マップ」に掲載されてしまい、それからはこの道路を走行する車が増え、その量も半端じゃないのです。
通勤ラッシュ時は多くの車に混じり、大きなトラックもドンドン走ります。
白線一本だけで区別されている歩道は人ひとり歩くのがやっとで、歩いていて時には怖い思いをすることもあります。
この道は小学校の通学路にもなっていますが、付添いの父兄が手をつないで歩くことはできません。
雨の日に傘をさすのも大型車が通るたびに危なくてヒヤヒヤします。
行政に状況改善を訴えるも「検討します」と言うものの何も改善されません。
そしてある朝、ついに恐れていたことが起こってしまったのです。
恐れていた交通事故
歩道を歩いていた亮子さんに車が猛スピードで向かってきたのです。
逃げようとしたのですが、足がすくんでしまって逃げられず、白線を越えて歩道に乗り上げてきた車にひかれてしまいました。
通行していた人が通報し、救急車で病院へ搬送されましたが、左足の複雑骨折で長期の入院をすることになりました。
加害者は遅刻しそうだったため、急いでいたとのこと。
加害者にも行政にも腹が立ちます。
現代は車社会。青信号だから、横断歩道を歩いていたから・・といって安心することはできないのです。
悲しいことですが、いつ自分が交通事故の被害者になってもおかしくはないのです。
最近CMで、「車で事故を起したとき保険会社のコールセンターに電話して助かった」というものをよく目にしますが、逆に被害者になったときはどうしたいいのでしょう?
情報が少ないように思います。
だから知っておきましょう!!
被害者になった時どうする?
交通事故の賠償額というのは、ケガが治ってから決定します。
まずは詳しい事故の状況など、できるだけ早く、できるだけ多くの証拠を集めておくことが必要です。
自分でできない状況であれば、家族に協力してもらう、または多少費用はかかりますが、事故調査人に依頼するという方法もあります。
事故に遭ったらまず、警察を呼びましょう。
警察を呼ばないと交通事故証明書が取れないため、損害賠償の請求ができなくなることもあります。
被害が少なかったから、または加害者から「治療費は責任もってすべて出すから通報しないでくれ」と頼まれたからと通報せず、後で大きなトラブルになることがあります。
大したケガではないからと呼ばなかった・・・
後からでもいいのです。
あきらめず警察に届け出ましょう。
事故現場の写真を撮りましょう。
現場の図面を作成しましょう。
交通事故の損害賠償算定でよく耳にする「過失割合」ということばですが、これは発生した交通事故に対する不注意・過失などの責任の割合のことです。
被害者加害者双方に過失のある事故の場合、通常は双方が契約している保険会社の担当者が話合って過失割合を決定します。
その基準となるのは、過去の裁判例です。
起きた事故と似た過去の裁判例を基準として、実際の事故状況に応じて割合を修正しながら決定します。
このケースのように歩道に乗り上げてきた車にひかれた場合、亮子さんに過失があったとは思えませんが、加害者側が何か異議を申し立てた場合、過失割合が争われる場合もあるので、事故後、早い時期に現場周囲の状況を写真に収めておきましょう。
道路の形状や標識とその位置、歩道や横断歩道などできるだけたくさん情報を撮っておきましょう。それを元に図を作成し、写真撮影の位置や方向がわかるようにしておくといざというときに証拠になります。
加害者の確認をしましょう
相手の住所、氏名、連絡先、自賠責保険の会社と任意保険の加入の有無、加入している場合はその会社を確認しましょう。
ケガや事故のショックなどで把握できなかった場合は、事故を担当した警察に連絡をしましょう。
損害を証明するものを集めましょう
交通事故の場合、原則として治療に健康保険は使いません。
病院の受付に「交通事故の場合は申し出てください」と書いてあるのを目にしたことがある方も多いかもしれません。
加害者の加入している保険会社に医療費を直接支払ってもらう手続きをします。
入院通院期間を証明する書類
通院交通費
雑費
診断書
子どもが事故に遭った場合
親が仕事を休んだ場合は休業証明書
を取っておきましょう。
他に事故によって発生した損害に関するものはこまめに収集保管してください。
最後に
先に言いましたが、交通事故の場合、治療終了、または症状が固定してからはじめて損害賠償額の算定をすることになります。
保険会社が損害額を提示してきた段階で、自治体の交通事故相談窓口や弁護士会の交通事故相談センターに集めた資料を持って相談されることをお勧めします。
事故によって一生を棒に振る人もいます。
被害者にとっても、また加害者にとっても体と心に大きな傷を残します。
ルールを守って、思いやりの心で運転したいものです。
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