別れ話で同棲終了!彼氏の忘れ物なんて、見たくもないから売っちゃった…これって罪になるの??
ゆうこさんには、付き合って4年になる彼氏がいました。
大学の頃から付き合いはじめて、社会人になると同時に、2人は同棲をはじめたのです。
そのまま2人の交際は順調にすすむと思いきや…やはり、単にお付き合いをするのと、同棲して日々の生活を共にするのでは、話がまるで違いました。
付き合っている時にはわからなかった、お互いの嫌なところも見えてくるし、慣れない社会人生活とも相まって、2人は同じ空間にいることすら、苦痛に感じるようになってきてしまったのです。
そして、そんな中、決定的な事件が…
なんと、彼氏が、ゆうこさんの目を盗んで浮気をしていたことが発覚したのです!!
元々「同棲生活がうまくいかない」と悩んでいたゆうこさんにとって、この事件は決定打でした。
浮気をするような男となんか、1秒だって一緒に居たくありません。
「もう我慢できない!私達別れましょう!!今すぐ出てって!!!」
「あぁ!喜んで別れてやるよ!!お前みたいな女、こっちからお断りだ!!」
ゆうこさんの元カレは、「別れてやる!」と啖呵を切った翌日には、自身の荷物をまとめてマンションを飛び出していきました。
「もう、あんな最低男とは縁を切って、自分一人でしっかり生きていこう!!」
そう心に決めたゆうこさんは、未練など全くなく、一人での新生活に新たな希望を抱いていました。
そんなゆうこさんの、唯一の悩みは…そう、あの元カレの「忘れもの」の数々だったのです。
何せ、喧嘩の勢いのまま、同棲を解消した2人。
元カレは、本当に必要最低限のものだけを持って、出て行きました。そのため、ゆうこさんのマンションには
元カレのものである、家庭用ゲーム機やゲームソフト、漫画などが大量に残されていたのです。
ゲームもやらないし、漫画も読まないゆうこさんにとって、これらは非常に「邪魔な存在」です。
「あー、あいつのものってだけで腹立つのに、よりにもよって、何でこんなに場所をとるのよ!!」
もう、顔さえも見たくない元カレの私物。こんなもの、さっさと持っていって欲しいのです。
自分から連絡をとるのも嫌ですが…だからといって、自分のマンションにこんなもの置き続けているのは、もっと嫌です。
ゆうこさんは嫌々ながら、元カレに連絡をとりました。
「あなたのゲーム機と漫画、邪魔なのではやく引き取りにきてください。迷惑です。」
簡潔に、要点のみを告げたゆうこさんから元カレへのメール。
それに対する答えは「は??俺忙しいし。お前と違って暇じゃないんだよ。行ける日に連絡する。」
なんとも腹立たしい文面のメールがかえってきました。
「何これ?!本当に腹立つ。何でこんなに偉そうなわけ?!」
あまりに腹のたったゆうこさんは、もうそのメールに返信はしませんでした。
そして…それからなんと!!
1ヶ月間、元カレから全く連絡がなかったのです。
「もう1ヶ月も経つのよ!?いつになったら取りにくるのよ!!」
いい加減、堪忍袋の緒が切れたゆうこさん。
つい、家に遊びに来てくれた友達にも、愚痴をこぼしてしまいました。すると、友達がこんなアドバイスをくれたのです。
「そんなに邪魔なら、これ全部中古ショップで売っちゃえばー??結構なお金になるんじゃない??」
「え!?でも、使い古しのゲームと漫画だよ。大したお金にもならないんじゃ…。」
「ゲーム機とかゲームソフトは、人気のやつなら結構お金になるよー。それに漫画だって、ほら、結構全巻そろってるし。それなりにいい値段で買いとってくれるよ!!」
「へぇ、そういうものなの??」
「そうそう!ほら、駅前に中古ショップあるじゃん、あそこなら私帰り道だし、一緒に荷物運んであげるよ??」
「えっ、本当!?それなら、売っちゃおうかなー。」
ゆうこさんにとって、友人の提案は、とてもありがたいものでした。
この大量の荷物を売りにいくのを手伝ってくれると言うのです。
「そうそう、元カレのものなんて、置いとくだけでもイライラするし、売っちゃいなよー。」
こうして、ゆうこさんは友達の手をかり、元カレの私物を、全部中古ショップに売り払ってしまいました。
「やったー!!飲み代3回分くらいにはなったよ♪臨時収入〜」
「やったじゃん、ゆうこ!!これで合コン行って、新しい彼氏ゲットだね!!」
マンションから邪魔なものもなくなり、ちょっとした臨時収入もあったゆうこさんは、上機嫌で友達と別れました。
忘れた頃に元カレから連絡…今さら返せって言われても!?
ようやく部屋から邪魔なゲーム機や漫画がなくなり、ゆうこさんは快適な毎日を送っていました。
しかし、ある日突然、元カレから連絡がきたのです。
「明日休みだから、ゲーム機と漫画とりにいくわ。お前、家にいろよ。」
ゆうこさんは、ビックリしました。
もう、とっくにあの私物のことは忘れていると思っていたのに…
「半年も前のこと、今さら何言ってるの??もうあんたの私物なんて、とっくに処分したわよ。」
「は?!ふざけんなよ。あれ全部でいくらしたと思ってんだ?!」
そんなことを言われても、無いものは無いんですから、返しようがありません。
「知らないよ。大体私が、取りに来て、って連絡したのに来なかったあんたが悪いんでしょ。」
「だからって、勝手に人のもの捨てるとかあり得ねぇ!なかなか手に入らないレアもののゲームソフトとかもあったんだぞ!!プレミアついてるし、すげー貴重なんだぞ!どうしてくれるんだよ!?」
「だから、知らないって!!そんなに大事なら駅前の○×ショップに行ってみれば!?運がよかったらまだ残ってるかもよ!」
「○×ショップ?!お前、処分って…売ったのかよ!!最悪だな!!!」
つい、売り言葉に買い言葉で、中古ショップに売ったことを漏らしてしまったゆうこさん。
ちょっとバツが悪くなりましたが、負けじと言い返します。
「私はちゃんと、取りに来て、って言いました!ほったらかしてたあんたが悪いんでしょ!!!」
「人のもの勝手に売り払うなんて犯罪だぞ!!!警察に言ってやるからな、覚悟しとけよ!!!」
それだけ言うと、また元カレから全く連絡が来ない状態になってしまいました。
「な、何よ…警察なんて。馬鹿みたい。こんなことで警察が動いてくれるはずないでしょ…。」
そう、一人で呟きながらも、ゆうこさんはとても不安になりました。
いくら、ゆうこさんの家に置きっぱなしで、全く取りにこなかったとはいえ、
持ち主である元カレの許可をとらず、勝手に売ってしまったのはゆうこさんです。
犯罪になってしまうのでしょうか?
友達同士の小さなトラブルの場合、いちいち警察に駆け込んだりはしないかもしれませんが、元カレは、ゆうこさんに対して敵意を持っています。
嫌がらせの意味もこめて、本当に警察に連絡するかもしれません。
ゆうこさんは、不安でたまらなくなってしまいました。
同棲していた恋人間でのものの処分・売却は違法になるの?!
さて、では今回のケースについて見てみましょう。
一般的に、赤の他人の持ちものを、本人の合意なく、勝手に奪って処分・売却してしまった場合、『窃盗罪に該当しそうだな』と、皆さん何となく想像がつきますよね。
ですが、ゆうこさんと元カレの場合、ちょっと事情が異なります。
2人は、お互い合意のもとに、一つ屋根の下に暮らしていた男女なのです。
2人が『他人』であることは間違いありませんが、
『同棲していた家に置いてあった、相手の持ちもの』が、果たして『赤の他人の持ちもの』と同じ扱いなのでしょうか?
ここで、『親族相盗例(しんぞくそうとうれい)』というものについて、簡単にご説明しましょう。
親族相盗例とは、配偶者または親族の間で窃盗罪、不動産侵奪罪を犯した場合、特例として刑を免除し、または告訴がなければ公訴を提起できないとすること。「法は家庭に入らず」との思想に基づく規定である。詐欺罪、横領罪等にも準用されている。
具体的な例をあげると、
『同居の母親が、成人した子どもが自分の給料で買った漫画やゲームを、子どもに断りなく売ってしまった』ケース等が考えられます。
母親は、子どもに断りなく勝手に子どもの私物を売り、お金を手にいれたわけですが、この母親が即、刑法で罰せられるかというと、実はそうではありません。これが、親族相盗例なのです。
では、話をゆうこさんと元カレに戻してみましょう。
この場合のポイント
『双方の合意のもと、同棲している(していた)男女に、親族相盗例は当てはまるのか?』というところです。
結論から言いますと…この場合、親族相盗例には当てはまりません。
例え同棲をしていようと、2人はあくまで他人同士。
『家庭内の争い事』という枠には入らないのです。
今回のケースで言うと、ゆうこさんの元カレは『自分の持ち物を勝手に売られてしまった』ということになりますので、
民事上、『所有権の侵害』があったものとして、『損害賠償請求』を行うことが可能です。
また、刑事上は『器物損壊罪』や『窃盗罪』に相当するものと考えることができるのです。
どんなに揉めても、元は同棲までした仲。
円満解決を目指しましょう
現実問題、このような『同棲相手のものを売った・処分した』といったケースは非常に多く、こうしたケースに該当する方々全てが、民事上、刑事上の手続きをされているかというと、そうでもありません。
皆さんもご存知の通り、裁判を行ったり、告訴を行うには、お金や時間のかかることがほとんどです。
そのため、『それだけの労力を払っても、白黒をはっきりつけたい』と望む人以外は、当人同士の話し合いで落とし所を見つけたり、または、残念ながら泣き寝入りで終わるケースも少なくないのです。
ゆうこさんにとって幸いなことに、今回のケースでは、元カレは警察に行く等、具体的な行動には出ずじまいで終わりました。
あれ以来、一切連絡もありません。
『警察に行ってやる!!』と言ったのも、ちょっとゆうこさんを脅かしてやるくらいの気持ちだったのかもしれません。
そもそも、ゆうこさんがきちんと元カレに『忘れ物を取りに来て』と言った時点で、すぐに応じていればこんなことにもならなったのです。
いずれにせよ、こうして、ゆうこさんと元カレのトラブルは、一応、おさまりました。
元は、お互い好きあって同棲までした2人。
民事、刑事で争ったりするのではなく、お互い大人の話し合いで解決できるよう、心がけたいものですね。
着払いという選択肢はなかったんか…(;´д`)結構な痛手だと思うんだけどなw漫画とゲームってかさばるから。
警察で全く同じこと言われてとりあってもらえなかったか言った後で頭が冷えて「そこまででもないか」になったか漫画もゲームも「いうほど貴重じゃなかったけどはったり言っとこうぜ」ってところだったのか。
お互い合わない相手と別れられて良かった良かった。浮気する彼氏も最低だと思うけど、勝手にもの捨てちゃう彼女もあかんと思う。夫婦でもトラブルが多いっちゅうのに。