うちの子が悪いってこと!?子ども同士の金銭トラブルはどうしたらいいの?
子ども同士の金銭トラブル 綾子さんの長男正樹くんは小学5年生。友達も多く、今サッカーに夢中です。
チームの仲間と 学年の区別なく遊び、毎日楽しく過ごしているようです。
練習の帰りに友達とジュースを飲んだりお菓子を買ったりと友達づきあいもあるかと思い、 こずかい帳をつけることを条件に毎月おこずかいは渡しています。
しかし、最近掃除で部屋に入ってみると、見たことのない新品のおもちゃやゲームが置いて あり、その数も徐々に増えているのです。
そのようなものを買えるほどのこずかいを与えているわけではなく、不安に思っていたとこ ろ、クローゼットの中から以前から欲しがっていたシューズを発見しました。
なぜこのような物があるんだろう?
ご主人とも話し合い、正樹くんの誕生日まで我慢させて、サプライズでプレゼントしようと 決めていたのに・・・です。
これはおかしい。
そう思った綾子さんは帰宅した正樹くんを問い詰めたのです。
すると、チームの下級生廉くんが自分のお年玉を持ち出して、正樹くんとキャプテンで6年 生の俊哉くんに渡したというのです。
「いくらもらったの?」と訊いても「何度ももらったから。」とはっきり答えません。
買ったとみられるおもちゃやゲーム、シューズの金額を計算してみると約3万円になりまし た。
正樹くんは廉くんを弟のようにかわいがっています。
しかしだからといってこのような大金 をもらっていいわけありません。
正樹くんの言い分だけを信じるわけではありませんが、自分からは「お金をちょうだい」な どとは言ってないようで、廉くんが自分の意志であげていたらしいのです。
今までにお金がからんだトラブルはなく、日頃いじめなどについては正樹くんに注意して きましたが、まさかこんな大金を友達がくれるなどとは想定外のことで、綾子さんは自分の 指導不足を悔やんだのでした。
廉くんが「あげる」と言わなければ、うちの正樹だってこんな大金を遣ったりはしなかった のに・・。
うちの子が悪いのかしら?
あげた方だって、そんな大金を子どもに管理させている廉くんの 親にも問題があるんじゃない?
綾子さんの心の中はくしゃくしゃです。
同じ立場の親同士話をしてみることに・・・
正樹くんといっしょにお金をもらったという俊哉くんのお母さんに連絡をとってみることに しました。
俊哉くんのお母さんは驚きながらも、
「うちの子や正樹くんが悪いわけじゃないでしょう? こちらが持って来いと言ったわけではなくて、廉くんが『使って』と勝手に持ってきたんだ からいいのでは?廉くんの親御さんも何もおっしゃっていないのだし。」と言います。
それはそうなのだけど・・・
と綾子さんの心はすっきりしません。
とにかく、もらったお金で買ったものすべてを廉くんに返すように正樹くんに言い、廉くん のうちにお詫びに行きました。
お金をあげた親の反応は・・
廉くんのお母さんもかなり驚いているようでした。
その後廉くんのお母さんから連絡があり、「お金を返してほしい。」と強く言われました。
廉くんがどのように言っているのかはわかりませんが、正樹くんと俊哉くんが脅して 取ったような言われ方で、「被害届を警察に出したい。」とか「全額きっちり返して。」と 繰り返しています。
子どもの意志で勝手にあげたお金に関して、もらった方は法律上返済しなければいけない のでしょうか?
正樹くんが使ったお金は常識的に返済するべきか?
それともそのままでのでしょうか?
綾子さんは悩んでいます。
これは本当に頭の痛い話です。
お金のトラブルは大人でもたいへん難しいのですから。 法律以前にお互い納得した話し合いができればそれで解決を見るかもしれませんが。
それでは廉くんのお母さんに被害届を出されたら、正樹くんたちは罰せられてしまうので しょうか?
小学生は犯罪能力がないので法的に罰せられることはありません。
被害届を出され、警察がこれを事実だと判断したとしてもです。
金額の差が少額なら、相手の主張する金額を支払ってしまい、終わらせるのが一番早いと思 いますが、私はあまり賛成できません。
「もらってしまっても、返せばいいんでしょ。」的な解決の仕方は正樹くんのためにもよく ないと思うのです。
下手に相手の言い値を支払うと、「認めた」などと他人に言いふらされかねないでしょう?
お勧めできません。
このケースの解決方法はどうしたらいい?
このケースのように「被害届を警察に出したい。」などと言われ続けるとまともに交渉はで きないのではないでしょうか?
まずは冷静にあげたお金、使ったお金をきちんと計算しましょう。
もちろん責任は使った正樹くんたちだけにあるわけではなく、お金を持ってきておもちゃや ゲームなどを買い与えた廉くんにも責任はありまよ。
しかしです。
これとお金の返済は別問題です。
どんな形であろうと正樹くんが人のお金を使ったことは事実です。
法律的に罰せられることはないにしても、相手も悪いから全額返さなくてもいいでしょ!と いうことはありませんよね。
こういった場合、子どもの使ったお金を返済するのは親の義務。
トラブルは子ども同士のものではありますが、お金に関しては子ども同士でというわけには いきません。
親がしっかり管理する義務があります。
お金は大切なもので、簡単に受け取ってはいけないことをきちんと教える事は重要です。
お金というのは労働の対価。
一生懸命働いて得るものです。
今回のように「お金もらったから使った」という感覚はちょっと心配です。
親がもらったお金を全額返済し、謝罪して「次からこんなことをしないでね。」で許してし まったら、正樹くんはお金を軽く見る子に育ってしまうのではないかと心配です。
この問題に対し子供に学んでほしいこととは・・
これを機会に廉くんの家へ連れて行って一緒に謝ってお金を返すことで、どんな理由であれ 人から簡単にお金を受け取るのは良くないことなのだということを学んでほしいと思いま す。
さらには自分のおこずかいから3万円を積み立てる体験をさせてみるのはどうでしょうか。
きっとお金を貯めることの大変さがわかるでしょう。
きっとこの一件は綾子さんにとって、正樹くんに他人とのお金のやりとりは簡単にするもの ではないこと、お金はどういう扱い方をしたらいいのかを教える機会となることでしょう。
廉くんのご両親と話し合いがついて、もらったお金を支払う際には、「これですべて解決と する」という書面を交わしてほしいと思います。
正樹くんが脅したような言われ方をしない ためにも、そしてそういったことを他人に言ったりしないように、できるだけ「口外禁止」 の条項も入れるといいのではないでしょうか。
正樹くんにも落ち度があり、気が引けるかもしれませんが、今後のことを考えると、毅然と した対応が必要になります。
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