返し忘れた!!レンタルビデオ店から高額の請求〜払わなくてはならないの??
今は「買うより借りる時代」です。
安い料金で利用できるうえに、使った後はしまっておく必要もありません。
ゆかりさんは転勤族。引っ越し時の荷造りが大変なのとコストを削減するためレンタルを利用しています。
利用している・・・
というよりゆかりさんの場合、楽しんでいると言った方がいいかもしれません。
なぜなら・・・
車、家電、家具、洋服に至るまで生活用品の多くをゆかりさんはレンタルで賄っているからです。
最新の商品がいろいろ試せるし、故障したら修理や交換もしてもらえる。買うよりレンタルする方が安いし、「何よりエコでしょ!」とゆかりさんはレンタル生活の話になるとイキイキしています。
しかし、その手軽さ、気安さが逆に災いして・・・。
まさかの高額延滞金
ゆかりさんは韓流ドラマが大好きです。
最近は仕事が忙しくて借りる暇がなかったのですが、先日久しぶりにレンタルビデオ店に行ったところ、「DVDが返却されていないですよ。至急返却して延滞金も支払ってください。」と言われてしまいました。
驚いたゆかりさんは家中を探し回って5枚のDVDを返却しに店に戻りました。
店員さんに
「返却期限からきょうまで60日の延滞です。延滞料が1日につき300円、5枚延滞されていましたので、9万円お支払いいただきます。」と言われ腰が抜けそうになりました。
何度も頭を下げたのですが、店長さんも出てきて、「お客様の責任ですよ。どうしても支払ってもらわないと困ります。」と言うのです。
ゆかりさんも申し訳なく思い、延滞料を支払わなければいけないということは重々承知しています。
しかし、店員の言うように全額払わなければいけないのでしょうか?
あまりの金額にゆかりさんは青ざめています。
レンタルビデオ店の仕組み
レンタルビデオ店でDVDを借りる際には必ず会員登録をしますよね。
その際に店側から会員規約というのを提示されると思います。
ああ、あの小さな字で書かれたものね、あんなの読むはずないじゃない。
そもそもあれは読ませたくないからあんな小さな字で書いてあるのよね・・。
これを読んでブツブツ言っているあなたは要注意!!
会員規約には通常「返却日後にレンタルした商品を返した場合は、所定の追加料金をいただきます」との延滞料についての定めが記載されています。
「知らなかった」「読んでない」は通用しませんよ。
会員になったということはこの規約に同意したということなのです。
それから、お店に行ったときにカウンターあたりを注意して見てください。
「延滞料1日に付き○○円」の表示が必ずあるはずです。
①間違ってレンタルしても大丈夫。
当日にお店に行けば交換してもらえます。
②商品を誤って破損してしまっても大丈夫。
故意と認められる以外は弁償の必要はありません。
というレンタルビデオ店は多いでしょう。
でも、返却日に返さなくても大丈夫!!というお店はどこにもありません。
お店の営業時間外でも、店外に設置された返却BOXで返却が可能だからです。
ゆかりさんは規約に同意して会員になり、レンタルのサービスを受け、延滞してしまったのですから、
「こんな延滞料を支払う約束なんてしてない」
「故意に返却しなかったのではないから延滞料は払わない」
と言い切ることは難しいと思います。
ここまで言うとわかりますよね。
そうなんです。
ゆかりさんは、規約通り、延滞料を支払わなければなりません。
えーっ!!9万円も・・・と思った人も多いはず。
ゆかりさんみたいに腰が抜けそうになりますよね。
もちろん延滞した人が悪いに決まっているのだけど。本当に全額支払わなければいけないの・・・?
往生際が悪いと言われそうだけど、そう言いたくなる気持ち・・・わかります。
延滞金を払わなくてはならないの??
通常DVDは5千〜6千円程度で販売されています。仮にゆかりさんが借りていたものが、
1枚6千円だったとしましょう。
5枚で3万円になりますね。
今回支払うように言われた延滞料は9万円。商品代の3倍の金額です。
ちなみにレンタルした商品を紛失した場合は紛失物の定価を要求されることが多いようです。
聞くところによると、レンタルビデオ店のDVDは市販のものより高いそうなのですが、それでも上限なく延滞料を積み重ねることができるとしたら、延滞料が高額になり、紛失した場合よりも多額の支払いを求められることになります。
これって「何だか納得いかないな」と思いませんか?
消費者契約法なるものにいろいろ規定があるようですが、難しいお話は置いておいて・・・。
長期の延滞でレンタルビデオ店に生じた損害の基準はまず、DVD本体の価格になります。
それにレンタル料金、ある程度の延滞料金が加算されます。
またその借りたDVDがとても人気があり、常に予約がいっぱいだったというような場合は、返却がなかったために他のお客さんに貸せず、店に大きな損害を与えていますから、そういった損害も加えられることになるでしょう。
ある程度の支払いは覚悟しなければなりませんが、かといって、ゆかりさんが請求されたような9万円という金額はいき過ぎです。
しょんぼりして店を出たゆかりさんでしたが、勇気を振り絞って次の日にお店へ出かけました。
悪いのはもちろん私なんだけど、やはり金額が大きすぎて納得がいかない。
支払うべきお金はもちろん支払うけれど、もう一度話をして、円満に解決したいと考えたのです。
この時ゆかりさんが気をつけたところは・・・
決済の権限を持っている店長さんと交渉するということ。
そして、まず謝罪をしたうえで、
損害賠償をする意志があること。
DVD本体の価格を大幅に超えた延滞料が発生していること。
その超過分は通常の損害を超えていて無効だと思うこと。
その請求は消費者契約法に違反しているのではないか。
ということを穏やかに話し、和解の提案をしたのです。
幸いに店長さんは契約法についてよく勉強していらっしゃる方でした。
ゆかりさんの言うことにもしっかり耳を傾け、一定の延滞料を支払うことで和解が成立しました。
もともとゆかりさんが悪意を持って行ったことと思ってはいなかったし、DVDを嬉しそうに借りていく姿をよく目にしていただけに、こんなことで客を失いたくないと考えていたところでした。
ゆかりさんは「今後延滞しないように気をつける」ことを約束し、店長さんも「これからもこの店を利用してくださいね」と笑顔で別れたのでした。
今回はこれで無事に解決を見たのですが、交渉が決裂することも多々あります。
話し合いで解決できない場合には、弁護士や消費相談窓口などに相談することをおすすめします。
レンタルは便利です。
でも今回のように延滞料などが発生すると、損害の判断、算定が難しいものです。
こういったトラブルを避けるためにも返却期限をしっかり守って、楽しく便利なレンタル生活を送りたいものですね。
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